2010年10月31日

菊水湯 東京都文京区本郷


菊水湯

今日は本郷は菊坂界隈を散歩して最後に菊坂の古い街中に残る昔ながらの銭湯「菊水湯」に入って来ました。

同湯は本郷三丁目方面から菊坂を下るとすぐに左手に坂下に行く道があるのでそちらに入ります。
菊坂と並行して行く道をしばらく歩くと左手の角地にあります。

入口は唐破風の屋根がのった昔ながらの銭湯。
屋根の瓦には菊水の文字が入り、入口軒下には屋号に因んだ菊水の彫り物の懸魚が掛かります。
その下には手作りと思われる屋号入りのオリジナル暖簾がかかっています。

暖簾をくぐると正面には傘ロッカーが並びます。
男湯下足箱は右手。
靴をしまって中に入ります。

引き戸を開けて脱衣場へ。
番台の女将さんに入浴料金を支払い中へ入ります。

天井は折り上げ付きの格天井。
折り上げ部分は壁と同色のペンキで塗られています。
ロッカーは両壁側にあります。
島ロッカーは無し。
フロア中央にはテーブルとその両側に木製の腰掛けが置かれています。

さて浴室。
天井は高い二段式。
正面には先年亡くなられた早川絵師の富士山のペンキ絵があります。
「伊豆」と書かれており、西伊豆辺りからの富士山と思われる構図。
その下は浴槽が並んでいます。
左手から二人くらいでいっぱいになりそうな薬湯の浴槽、実母散系の黒い薬湯が満たされています。
真ん中は深いめの座湯、右手はバイブラと電気風呂が並んでいます。

カランは両壁側と島カラン1基、男女境壁側から8.5.5.4の配列で全てにシャワー付きです。
カラン廻りは新しいタイルの物に更新されていてレトロ感は薄いですが使いやすくなっています。

夕方開店直後に入りましたが相客は常に12名程度、次々にお客さんがやって来ます。

のんびり湯につかりながら脱衣場の方を見ていると浴衣に丹前を羽織って桶を持ったお客さんが入って来ました。
最近では銭湯でもこういった姿の相客は見なくなりました。
昔、江戸っ子だった家の父は銭湯に通う時は丹前に下駄履きで行っていたのを思い出しました。
今見るとあの姿もいいですねぇ。
ご近所だから出来るのでしょうけどね。

上がると外は薄暗くなっています。
また古い街並みをぶらぶらと散歩を楽しみながら駅へ向かいます。

▼樋口一葉旧居跡のある路地の階段の家々
一葉旧居


▼樋口一葉が通った旧伊勢屋質店。
伊勢屋質店


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この記事へのコメント

1. Posted by mac   2010年11月01日 04:56
☆丹前と桶ですか?素晴しい☆

浴衣や丹前はいいですね。いつも洋装ばかりですけど、和服も似合う男性になるというのは一つの目標かもしれません。
学生時代は下駄で学校も銭湯も通ってました。そういえば下駄の音も最近は聞かなくなりましたねぇ。。。
2. Posted by まぁやぁ   2010年11月01日 14:49
macさん

最近は昔からやっているような履物屋さんに行かないとまともな下駄は売っていませんねぇ。
サンダルのようなつくりの下駄ばかりです。
私も昨年廃業する履物屋さんから安売りの下駄を買ってきました。
しかし普段バイクや車に乗っている生活だと下駄の登場する機会もあまりありませんね。
今年は1回も履かないうちに冬になってしまいそうです(-_-;)

そういえば当時の父は休みの日は下駄でどこへでも出掛けていたので、子供の頃に連れて行ってもらった上野の東京国立博物館では入場時に注意されていました。
当時は他にもそんな人がいたようで、貸し出し用のサンダルが備え付けられていましたよ。

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